眠夢の支部の支部
DONE拙作「蒸発スタァ」のアフターとなっております。時間軸的には数年後(本の書き下ろしよりさらにあとくらい)ですが、支部で公開しているものだけ読んでいただいてる方でも楽しめるはずです。
よろしくお願いします。
繋いだ心は離さないわ「旅行に行きたいわ」
彼女の思いつきはいつだって思いつきだが、今日の彼女はさらにぶっ飛んでいた。
大学の課題もそつなくこなし、ファッション誌を読んでいたはずのメルトが突然、雑誌を閉じてそう言った。
「旅行? どこ行く?」
実を言うと、彼女がこの部屋に来てから一度として遠出をしたことはなかった。
「そうするとどこに行く? 紅葉が見頃なのは北海道とか東北とかだけだし……」
「紅葉もいいとは思うけど、そうね……」
お茶の時間だったので、オレがキッチンからいつもセットを持ってきてソファに座ると、彼女もいつもの席に座った。
──具体的には、オレの膝の上に。
あれから、彼女は積極的に自分の膝の上にのり、あれこれと要求するようになった。
3472彼女の思いつきはいつだって思いつきだが、今日の彼女はさらにぶっ飛んでいた。
大学の課題もそつなくこなし、ファッション誌を読んでいたはずのメルトが突然、雑誌を閉じてそう言った。
「旅行? どこ行く?」
実を言うと、彼女がこの部屋に来てから一度として遠出をしたことはなかった。
「そうするとどこに行く? 紅葉が見頃なのは北海道とか東北とかだけだし……」
「紅葉もいいとは思うけど、そうね……」
お茶の時間だったので、オレがキッチンからいつもセットを持ってきてソファに座ると、彼女もいつもの席に座った。
──具体的には、オレの膝の上に。
あれから、彼女は積極的に自分の膝の上にのり、あれこれと要求するようになった。
葵(緒都)
PASTpixivにアップしているぐだシャルの話本日はお日柄もよくとある日、なんてことない日。俺はガチガチに固まってこぶしを膝の上で握りしめていた。
(こういうときって何から話しかければいいんだ…?今日の服可愛いね…とか…?いや…いつも同じ服だから意味ないな…。髪型…も同じだから意味がないし…)
ベッドに座る隣に同じく緊張したお面持ちで腰かけて、小さな手をぎゅっと握りしめている 彼女。恥ずかしながらマスターとサーヴァントという関係性でありながら、それ以上でも ある。ここは格好良くリードしてあげたいところなのに…こういう場面になるといつも情けなくなってしまう。
(コルデーも緊張しちゃうよな…これだと…)
「マスター、」
「コルデー!あのさ…」
「えっ はいっ…な、なんでしょう…?」
2760(こういうときって何から話しかければいいんだ…?今日の服可愛いね…とか…?いや…いつも同じ服だから意味ないな…。髪型…も同じだから意味がないし…)
ベッドに座る隣に同じく緊張したお面持ちで腰かけて、小さな手をぎゅっと握りしめている 彼女。恥ずかしながらマスターとサーヴァントという関係性でありながら、それ以上でも ある。ここは格好良くリードしてあげたいところなのに…こういう場面になるといつも情けなくなってしまう。
(コルデーも緊張しちゃうよな…これだと…)
「マスター、」
「コルデー!あのさ…」
「えっ はいっ…な、なんでしょう…?」